こんにちは!

理学療法士の臼井です。

「腸腰筋」をうまく使えば脚をラクに上げられる。

筋肉にはアウターマッスルとインナーマッスルがあります。

アウターマッスルは、体の表面の筋肉のことをいい、主に瞬発力を発揮するときに使われます。短距離走や、重いものを持ち上げる大きな力を使うときなどです。

一方インナーマッスルは、体の奥にある深層筋のことで、姿勢保持、呼吸のサポート、骨盤や関節の安定につながる筋肉です。正しい姿勢を維持したり、息を吸ったり吐いたりするときにも使われています。

ランニングで重要な筋肉の1つに、このインナーマッスルの腸腰筋があります。腸腰筋(大腰筋・小腰筋・腸骨筋)は上半身と下半身をつなぐ筋肉で、脚を上げるときに使われます。

初心者はよく、ひざを上げて前ももの力で走ろうとしますが、ひざを上げて走ると、ひざを中心に脚を動かすので、脚が前につき、ひざや足首に負担がかかります。

故障の原因になるだけでなく、なかなか前に進まない、つらいランニングになります。

腸腰筋をしっかり使って走れるようになると、腰高フォームで、脚の回転がしやすくなり、ひざへの負担も軽くなりラクに走れます。

運動不足の人や運動経験の少ない人は、腸腰筋がうまく使えず、「筋力がないので使えない」と思うかもしれませんが、腸腰筋の「スイッチ」を入れれば、誰でも腸腰筋を使えるようになります。

まず、一度立って、片脚を上げてみてください。次に、腰や骨盤まわりの腸腰筋を揉んでください。そしてもう一度、先ほどの脚を上げてみてください。

脚が上がりやすくなりませんか?

さらに、両手を上げた状態で、同じ脚を上げてみてください。みぞおちあたりから、脚が上がる感覚になるはずです。

これが「筋肉にスイッチが入った状態」です。

腸腰筋が使えるようになると、ひざが前に出にくくなり、過度に負担がかかりません。足が接地するときの反発を上手に使えるようになるので、ラクに走れるようになります。

「筋肉にスイッチが入った状態」で疲れにくい走りを実現

正しいフォームをマスターすれば、インナーマッスルが鍛えられ、姿勢も良くなります。

この秋は、「ランニング=苦しい」という考えが覆る「ズルいランニング」で、外気を感じながらリフレッシュしてみてはいかがでしょうか?


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臼井 宰介(うすい さいすけ)

臼井 宰介(うすい さいすけ)

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