【延動ドック③】歩けなくなってからでは遅い?60代から見逃してはいけない身体の変化と、100歳まで自分の足で歩くための予防習慣
こんにちは!
千葉県市川市・本八幡駅前の整体院 彩(いろどり)/リハビリジム彩 【IRODORI】理学療法士の臼井です。
当院では、理学療法士の専門的な視点から、姿勢・歩行・股関節・体幹・バランスなど、身体の動きを評価し、一人ひとりに合わせた運動療法を提供しています。
今回のテーマは、
「歩けなくなる前に、身体の変化に気づくことの重要性」です。
1.結論|歩けなくなる前に身体を確認することが、将来の自立につながる
最初に、最も大切なことをお伝えします。
歩けなくなってから対策を考えるのではなく、歩ける今のうちから身体の状態を確認することが重要です。
私たちは、日々の生活の中で少しずつ起こる身体の変化を、見過ごしてしまうことがあります。
例えば、
– 以前よりもつまずきやすくなった
– 横断歩道を渡るのに時間がかかるようになった
– 階段の上り下りがつらくなった
– 椅子から立ち上がる際に手を使うようになった
– 歩幅が小さくなった
– 片脚で立つとふらつく
– 長時間歩くと疲れやすくなった
こうした変化は、加齢に伴う筋力やバランス能力、関節の動きなどの変化と関係している場合があります。
もちろん、すべてが身体機能の低下によるものとは限りません。
しかし、以前と比べて明らかな変化がある場合には、身体の状態を確認するきっかけにしていただきたいのです。
身体の変化に気づくことは、将来の生活を守るための第一歩です。
2.なぜ「歩けなくなってから」では対応が難しくなるのか?
歩行能力は、ある日突然失われるとは限りません。
病気やけがなどによって急に歩行が難しくなる場合もありますが、筋力や活動量、バランス能力などが徐々に低下していくケースもあります。
例えば、
最初は少し歩きにくくなる。
次に、長い距離を歩くことがつらくなる。
外出する機会が減る。
筋力や体力がさらに低下する。
そして、以前は問題なくできていた日常生活の動作が難しくなる。
このように、活動量の低下と身体機能の低下が互いに影響し合う場合があります。
① 筋力の低下
筋肉は、日常生活で使う機会が減ると、筋力や筋量が低下しやすくなります。
特に高齢者では、加齢に伴う筋肉量や筋力の低下である「サルコペニア」に注意が必要です。
太ももやお尻、ふくらはぎなどの筋肉は、立ち上がりや歩行に重要な役割を果たしています。
しかし、歩行能力を考える際には、脚の筋力だけでなく、体幹や股関節の働きも確認する必要があります。
② 関節の動きの低下
股関節や足首などの動きが制限されると、歩幅や足の運び方に影響する場合があります。
例えば、股関節を後ろへ伸ばしにくい状態では、歩行中に腰や骨盤の動きで補おうとすることがあります。
また、足首の動きが制限されると、段差を越える際の足の運び方が変化する場合もあります。
こうした状態で無理に歩行量を増やすのではなく、まずは関節の動きや身体の使い方を確認することが大切です。
③ バランス能力の低下
歩行では、片脚で身体を支える瞬間が繰り返されます。
そのため、歩くためには筋力だけでなく、バランス能力や感覚機能、身体を適切にコントロールする能力が必要です。
バランス能力が低下すると、方向転換や段差の昇降などで不安定になる場合があります。
転倒を予防するためにも、身体の状態に合わせたバランストレーニングが重要です。
3.歩行能力の低下に関係する「ロコモティブシンドローム」とは?
皆様は、ロコモティブシンドローム(ロコモ) という言葉をご存じでしょうか?
ロコモティブシンドロームとは、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の障害によって、立つ・歩くといった移動機能が低下した状態をいいます。
進行すると、将来的に介護が必要になるリスクが高まることがあります。
ロコモは、必ずしも高齢になってから突然始まるものではありません。
日頃の運動不足や身体機能の変化などが関係することもあります。
だからこそ、60代、70代になってからだけでなく、身体が動くうちから自分の状態に関心を持つことが大切です。
「今は歩けるから大丈夫」ではなく、「これからも歩き続けるために、今の身体を知る」ことが重要なのです。
4.【セルフチェック】身体からの小さなサインを見逃していませんか?
ここで、ご自身の身体の状態を確認してみましょう。
次の項目は、日本整形外科学会が紹介する「ロコチェック」に基づくものです。
7つのロコチェック
[ ] 片脚立ちで靴下がはけない
[ ] 家の中でつまずいたり、すべったりする
[ ] 階段を上るのに手すりが必要である
[ ] 家のやや重い仕事が困難である
[ ] 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である
[ ] 15分くらい続けて歩くことができない
[ ] 横断歩道を青信号で渡りきれない
いかがでしたでしょうか?
一つでも当てはまる場合は、ロコモの可能性があるため、身体の状態を確認するきっかけにしてください。
ただし、これらは診断を確定するものではありません。
痛みやふらつきなどがある場合は、医療機関での評価も大切です。
また、片脚立ちなどを無理に実施する必要はありません。
重要なのは、できないことを責めるのではなく、今の身体に必要な対策を考えることです。
5.なぜ、歩行能力を維持するためには「股関節」が重要なのか?
整体院 彩では、身体の動きを考えるうえで、特に股関節の働きを重視しています。
股関節は、骨盤と大腿骨をつなぐ大きな関節です。
歩行中には、脚を前に出す、後ろに伸ばす、身体を支えるといった働きがあります。
股関節の動きや筋力が低下すると、歩幅や姿勢、バランスなどに影響する場合があります。
股関節で注目したい3つの働き
① 脚を前に持ち上げる力
腸腰筋などの股関節屈筋群が関係します。
脚を前へ運ぶ動作や、階段を上る動作などに重要です。
② 身体を支える力
中殿筋をはじめとする股関節周囲の筋肉が関係します。
歩行中に片脚で身体を支える際、骨盤や体幹の安定性に関わります。
③ 脚を後ろへ伸ばす動き
股関節の伸展は、歩行中の身体の前方移動や歩幅に関係しています。
この動きが制限されている場合、歩き方に変化が生じることがあります。
ただし、股関節だけを鍛えれば歩行能力が改善するわけではありません。
足首・膝・骨盤・背骨・体幹など、全身の働きを総合的に考える必要があります。
6.「たくさん歩けば健康になる」とは限らない
健康のために毎日歩くことは、とても良い習慣です。
しかし、歩く距離を増やすことだけが、歩行能力を維持する方法ではありません。
例えば、
股関節の動きが制限されている。
体幹が不安定になっている。
膝に痛みがある。
足首が動かしにくい。
バランス能力が低下している。
こうした状態がある場合、歩行量を増やす前に身体の状態を評価し、必要な運動を取り入れることが役立ちます。
そこで、整体院 彩が大切にしているのが、
「鍛える前に戻す」
という考え方です。
これは、単に筋肉を柔らかくするという意味ではありません。
今の身体に必要な関節の動き、筋力、バランス、身体の協調性を確認し、適切に働かせられる状態を目指すこと。
そのうえで、一人ひとりに合った筋力トレーニングや歩行練習を行います。
ストレッチだけでも、筋力トレーニングだけでもありません。
身体の状態に応じて必要な運動を組み合わせることが重要です。
7.【実践】100歳まで歩くために、今日からできる3つの運動
ここでは、自宅でも取り組みやすい運動をご紹介します。
無理に回数を増やす必要はありません。
痛みや強いふらつきがある場合は中止してください。
① 椅子に座ってもも上げ運動
目的:股関節と体幹の働きを確認する
【方法】
1. 安定した椅子に座ります。
2. 足裏を床につけ、背筋を自然に伸ばします。
3. 片方の膝をゆっくり持ち上げます。
4. ゆっくり下ろします。
5. 左右交互に10回程度行います。
【チェックポイント】
– 左右で膝の上がる高さに違いはありませんか?
– 身体を大きく後ろに倒していませんか?
– 股関節に痛みはありませんか?
高く上げることよりも、身体を安定させながら動かすことを意識してください。
② 椅子に座ってかかと上げ運動
目的:足首とふくらはぎの筋肉を動かす
【方法】
1. 椅子に座って足裏を床につけます。
2. つま先を床につけたまま、かかとを持ち上げます。
3. ゆっくり下ろします。
4. 10回程度繰り返します。
【チェックポイント】
– 左右で動きに違いはありませんか?
– 足首に痛みはありませんか?
– 動きをゆっくりコントロールできますか?
③ 椅子からの立ち上がり運動
目的:下半身の筋力と身体の協調性を確認する
【方法】
1. 安定した椅子に座ります。
2. 足を肩幅程度に開きます。
3. 身体を少し前に傾けます。
4. 必要に応じて手を使い、ゆっくり立ち上がります。
5. ゆっくり座ります。
6. 5回程度を目安に行います。
【チェックポイント】
– 膝や股関節に痛みはありませんか?
– 身体が左右に大きく傾いていませんか?
– 立ち上がる際に強いふらつきはありませんか?
転倒の不安がある方は、一人で行わず、必要に応じて専門家の指導を受けてください。
8.「延動ドック」とは?身体の動きを確認する新しい健康習慣
皆様は、年に一度、健康診断や人間ドックを受けていますか?
血圧、血糖値、コレステロール、内臓の状態などを調べることは、健康管理にとても重要です。
しかし、一般的な健康診断だけでは、歩行能力や関節の動き、バランス能力などを十分に確認できない場合があります。
そこで、整体院 彩が提案しているのが、
「延動ドック」 です。
延動ドックは、身体の動く力に注目した、当院独自の身体機能チェックの取り組みです。
主に次のような項目を確認します。
① 姿勢
立っているときの身体の位置や左右差を確認します。
② 歩行
歩幅、足の運び方、身体の揺れ、歩行時の安定性などを確認します。
③ 股関節
関節の動きや左右差、筋肉の働きなどを確認します。
④ 体幹
身体を安定させる力や、背骨・骨盤の動きを確認します。
⑤ バランス
立位での安定性や、身体を支える能力を確認します。
これらを総合的に評価し、今の身体に必要な運動を考えていきます。
延動ドックは病気を診断する医療検査ではありませんが、身体の変化を知り、日頃の運動習慣を見直すきっかけになると考えています。
9.70代、80代、90代からでも身体づくりを始める意味がある
「もう70歳だから仕方ない」
「80歳になったら筋肉はつかない」
「90歳から運動しても意味がない」
そう思っていませんか?
確かに、年齢とともに筋力や身体機能は変化します。
また、病気や障害によって、運動に制限がある方もいらっしゃいます。
しかし、高齢になってからでも、適切な運動によって筋力や身体機能の改善が期待できる場合があります。
もちろん、すべての方が同じように改善するわけではありません。
大切なのは、その方の身体の状態を評価し、安全で適切な方法を選ぶことです。
私が大切にしている言葉があります。
「筋肉に定年退職はない」
何歳になっても、身体の状態に合わせて動く機会をつくることには意味があります。
年齢だけで可能性を決めつけず、今できることから取り組んでいただきたいと考えています。
10.100歳まで歩くことは、単に長生きすることではない
皆様は、100歳になった自分の生活を想像したことがありますか?
朝、自分の力で起き上がる。
自分で着替える。
好きな場所へ買い物に行く。
家族と一緒に外食する。
孫やひ孫と散歩する。
旅行先で美しい景色を楽しむ。
こうした日常生活の一つひとつが、人生の楽しみにつながっているのではないでしょうか。
私たちが目指しているのは、単に寿命を延ばすことではありません。
自分の意思で行動できる時間を、できる限り長く保つことです。
そこで整体院 彩では、「移動寿命」という考え方を大切にしています。
移動寿命とは、自分の意思で行きたい場所へ移動できる期間を大切にする、私たちの理念を表す言葉です。
たとえ歩行が難しくなった場合でも、杖や歩行器、車椅子などを活用しながら、自分らしい生活を続けることは大切です。
自分の足で歩き続けることを目指すと同時に、移動の自由を守る。
その両方が重要だと考えています。
11.「延命より延動」――歩けなくなる前に、身体を確認する文化を
日本は世界でも有数の長寿国です。
しかし、長生きすることと、健康で自立した生活を続けられることは、必ずしも同じではありません。
年齢を重ねる中で、筋力の低下、関節の問題、転倒、病気などによって、日常生活に支援が必要になる方もいらっしゃいます。
だからこそ、身体機能の変化に早く気づき、必要な対策を始めることが重要です。
私たちは、痛みが出てから身体を確認するのではなく、動ける今のうちから身体の状態を知る文化を広げたいと考えています。
健康診断を受けるように、身体の動きも定期的に確認する。
そして、自分に必要な運動を知り、無理のない範囲で継続する。
それが、私たちの提案する「延動ドック」です。
延命より延動。
命の長さだけではなく、動ける時間を延ばす。
100歳まで自分の足で歩くことを目指し、一人でも多くの方が、自分らしい人生を楽しめる社会をつくりたいと考えています。
12.まとめ|10年後の歩く力を考えるなら、今日の身体から
今回お伝えしたかったことは、次の5つです。
1. 歩行能力の低下は、日常生活の小さな変化として現れる場合がある
2. 筋力・関節の動き・バランス能力などを総合的に確認することが大切
3. 歩く距離を増やすだけでなく、身体に合った運動を選ぶ必要がある
4. 高齢になってからでも、適切な運動に取り組む意味がある
5. 歩けなくなる前から身体を確認する習慣が、将来の自立につながる
そして、最後にもう一度お伝えします。
「歩けなくなる前に、身体を確認する。」
今は何の問題もなく歩けている方も、最近少し歩きにくさを感じている方も。
今日の身体の状態を知ることが、将来の生活を考える大切な一歩になります。
10年後も、20年後も。
自分の意思で行きたい場所へ行き、好きなことを楽しめるように。
整体院 彩は、皆様の身体づくりをサポートしてまいります。
鍛える前に戻す。
筋肉に定年退職はない。
延命より延動。
100歳まで自分の足で歩く。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
整体院 彩/リハビリジム彩 IRODORI
株式会社 MOVELIFE100(ムーブライフヒャク)
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臼井 宰介(うすい さいすけ)
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