🏫第2回:学校で学ぶ“姿勢と品格” ― 英国のカリキュラムの中で

「イギリスの教室で、教師の前に姿勢よく立つ生徒たち。黒板には“Good posture shows good manners”と書かれている。」

「立つ姿勢から始まる英国の“マナー教育”。身体を通して心を整える文化。」

「姿勢」はマナーであり、学びの基礎。

イギリスの学校では、“立つ・座る・話す”といった日常の所作そのものが教育の一部として扱われています。

「Stand up properly(正しく立ちましょう)」から始まる授業――そこには、身体を通して心を整えるという哲学が息づいています。

この回では、英国の“姿勢教育”がどのようにカリキュラムに組み込まれ、どんな価値観を育んでいるのかを探ります。

「立ち姿」から始まる教育

 

イギリスの学校では、授業の始まりや朝の会で「Stand up properly(正しく立ちましょう)」という言葉がよく使われます。

これは単に礼儀のためではなく、集中力と自尊心を高める身体づくりの一環です。

 

背筋を伸ばし、両足をしっかり床につける。

この「立つ姿勢」こそが、思考の準備であり、学びのスタートラインなのです。

 

 

“姿勢教育”はマナー教育の一部

 

英国の学校では、姿勢はマナー(礼儀)と不可分とされています。

例えば、以下のような授業や場面で自然に指導されます。

 

朝のホームルームでの整列・挨拶の姿勢

 

音読・スピーチの際の立ち方と呼吸法

 

授業中の着席姿勢(椅子に浅く腰かけない・背もたれに頼らない)

 

学校行事での入退場や拍手のタイミング

 

 

教師は「Good posture shows good manners(良い姿勢は良い礼儀を表す)」と伝え、

姿勢を“他者への思いやりの形”として教えます。

 

 

制服文化と姿勢の関係

 

イギリスの学校制服は、単なる伝統ではありません。

ネクタイを結び、シャツを整える動作そのものが、「姿勢を正す訓練」となっています。

 

制服の着こなしを通じて、自分を整える=心を整えるという意識を育むのです。

これが“外見の教育”ではなく、“内面を育てる姿勢教育”として根づいています。

 

 

授業の中で“動きを学ぶ”

 

また、近年では体育だけでなく、ドラマ(演劇)教育やスピーチ教育でも姿勢が重視されています。

「身体表現」は、言葉以上に個性や感情を伝える手段。

子どもたちは演技や発声練習を通して、「動きながら姿勢を整える」感覚を身につけます。

 

 

延動教育へのヒント

 

日本の学校教育では、まだ「静止した姿勢=良い姿勢」という価値観が強く残っています。

しかし、イギリスの姿勢教育が教えてくれるのは、“動きの中で整う姿勢”です。

 

私たち「彩【IRODORI】」が提唱する“延動教育”も、まさにここに重なります。

身体を通して集中し、心を整える。

その学びは、人生を“動ける時間”で満たすための第一歩なのです。

 

 

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臼井 宰介(うすい さいすけ)

臼井 宰介(うすい さいすけ)

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