こんにちは!

理学療法士の臼井です。

最近よく耳にするようになった「時間栄養学」という言葉。カラダの不調を整えたいときはもちろん、ダイエットや生活習慣病対策としても取り入れたい考え方です。

時間栄養学とは

時間栄養学とは、体内時計の考えを取り入れた栄養学のことです。

体内時計と食は相互作用があることが知られており、従来の「何をどれだけ食べるか」に加えて「いつ食べるか」が重要と考えられてきています。

具体的には、朝食が体内時計を整える役割を持つことや、夜間の食事が肥満や糖尿病などのリスクとなることなどについて、研究が進められています。

時間栄養学をとり入れるメリット

 時間栄養学をとり入れるメリットは、大きく2つあります。

★体内時計が整い、不調の改善に役立つヒトの体内時計の周期は約25時間であり、地球の24時間周期とは約1時間のずれがあります。

このずれを修正できずに体内時計が乱れてしまうと、さまざまな不調につながることが知られています。

具体的には、眠気や頭痛・倦怠感・食欲不振など「社会的時差ボケ」といわれる不調などです。ほかにも、睡眠障害やうつなどのリスクとなることも知られています。

時間栄養学を取り入れて体内時計を整えることで、これらの不調の緩和や予防につながります。

★生活習慣病の予防やコントロールに役立つ

時間栄養学では、食事をとる時間帯によって、健康へ影響することもわかってきています。

たとえば、夜遅い時間の食事は体内時計を乱し、肥満や糖尿病のリスクにつながることが知られています。

時間栄養学の考えを取り入れ、食事の時間を改善してみると、体重や血糖値の改善がみられたという研究報告もあるほどです。

実際に、肥満女性を対象に調査した研究では、1日の総摂取カロリーが同じでも夜に多くとる場合に比べて朝に多くとった場合は、体重や腹囲、空腹時血糖値などの改善が有意にみられたという結果になりました。

「夜遅い食事は太りやすい」ということは、なんとなく知っている方も多いかと思いますが、科学的にも証明されてきているのです。

生活習慣病の予防やコントロールに、今後ますます時間栄養学の大切さが注目されていくでしょう。

★体内時計を整えるカギは「朝食」と「光」

体内時計を整えるには「朝食」と「光」により、ずれをリセットすることが大切だと考えられています。

もともと、体内時計をリセットするには、起床後に光を浴びることがもっとも大切と考えられていましたが、近年では朝食の役割にも注目が集まるようになりました。

光は体内時計の中心となる「主時計(中枢時計)」を調整する役割がある一方で、朝食は末梢に存在する「末梢時計」を調整するという別の役割があることがわかってきています。

一口に“リセット”といっても、それぞれ役割が異なるのです。

主時計と末梢時計のずれが起きることも、体内時計を乱す原因となるため、光と朝食はセットで実践することが大切です。

なんとなく「朝食抜きはよくない、太る」「夜遅くに食べると太る」というぼんやりとしたイメージはありましたが、時間栄養学の研究が進むにつれ、科学的に根拠が証明されつつあります。これからは「いつ食べる?」も意識しながら、健康づくりやダイエットに取り組んでみてくださいね。


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臼井 宰介(うすい さいすけ)

臼井 宰介(うすい さいすけ)

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