そのほかに呼吸法や姿勢、心のもち方とかも健康には重要なのですが、
今まで運動という分野に尖り過ぎていましたので
今日は筋肉と食事の科学について解説します!
TVや雑誌を見れば、
ありとあらゆる健康法、食事法が掲載されていますが、
実際『健康になれる食事』というのは、
・「健康によい」といわれる食事が実は体に悪影響だったり
・実際に体にはよい食事でも自分の体質に合っているのか
など、本当に食事は難しいです。
今日は『筋肉のつけるための食事』についてお話しするので、
筋肉を落としたくない、
筋力をつけて疲れないカラダになりたいという方は
ぜひ読み進めていただければと思います。
■筋肉はアミノ酸からつくられる
タンパク質というのはアミノ酸から作られるのですが、
実は生命を維持するためにはアミノ酸は20種類しかなく
必須アミノ酸9種類と他は非必須アミノ酸で構成されています。
必須アミノ酸というのは体の中で作ることができない
= かならず食事で摂取する必要がある栄養素
です。そして、非必須アミノ酸は必須アミノ酸があれば作ることができるので、
『普段から必須アミノ酸9種類はしっかり摂ろう』と基本的には考えてください。
必須アミノ酸の中でも
筋肉を作るタンパク質の約20%は
分岐鎖アミノ酸(BCAA:Branched Chain Amino Acid)です。
そのため筋トレマニアやマッチョの方たちは
BCAAというプロテインを愛飲しているのですが、
BCAAには筋タンパク質の合成促進や筋タンパク質の分解を防ぐ役割があります。
ちなみにHMBというのはロイシンという
9種類の必須アミノ酸の一つの代謝産物です。
HMBもBCAAと同様の作用があると言われています。
筋トレによって筋組織にが傷ついたときに、
「筋肉が壊れたぞ~!!」と連絡が来て
筋肉を修復しようとしますが、
HMBはこの連絡をしたり活性化させる作用を持ちます。
どちらも筋肉量の減少を抑えてくれるので、
「筋肉をつけたい!」というニーズだけではなく、
筋力を落とさずに健康でいたい!という人にも重要ということです。
タンパク質というのは
トンでもないくらいの数があるのですが、
たんぱく質は分解されるとアミノ酸になります。
そして
『体の中で作ることのできないもの=必須アミノ酸』ですが、
それはたった9種類しかありません。
ちなみに、ボディビルダーの中で
「貴族の飲み物」といわれるらしいのですが、
それがEAAと呼ばれるものでありEAAは
必須アミノ酸9種類全てを含んだものになります。
しかし!!
筋肉が正常に働くにはビタミンやミネラルが働くことで
・筋肉の分解を抑えること
・筋疲労を軽減させ修復も早める
という作用も必要なので、
「プロテインだけ飲んでいればいいや」ではなく
野菜や果物からビタミン、ミネラルをとる必要があるわけです。
■50代以降になると・・・
特に自分の筋肉量を維持するためには
必要なタンパク質は自分の体重1Kgに対して1g必要となります。
臼井は59Kgなので59Kg必要ということになりますが、
50代以降になると筋繊維が細くなり、
筋肉量が大きく減ってしまうので意識的に
タンパク質を取る必要が出てきます。
■不思議なアミノ酸
少し変わったアミノ酸があります。
それが
アルギニンは非必須アミノ酸であり
体内で作れるのですが、幼少期では必須アミノ酸なのです。
成長ホルモンを出すことに重要なのですが、
成長期には欠かせないアミノ酸と言われてます。
成長ホルモンは
『筋肉をつける、維持する、骨を強くする、免疫力を高める、基礎代謝をアップする』など
超重要なホルモンであり
どんどん加齢とともに少なくなるので
積極的に取りたいアミノ酸でもあります。
アルギニンは魚介類に多く含まれているのですが
一酸化窒素と言って
筋肉を柔らかくする物質でもあります。
特に血管も筋肉(平滑筋)なので
柔らかくなることで血圧を下げたりしてくれます。
■食事で効率的に筋肉をつける方法
効率的に筋肉をつけるためには
『トレーニング後30分以内に栄養摂取すること』が有効と言われています。
その際にタンパク質を摂っていきますが、
運動したあとに糖質も一緒に摂ると筋肉の合成が進みます。
科学的な研究によるとタンパク質10gに対して
糖質7gを加えると効果的に筋肉合成が進むとさています!
なので、トレーニング後は『おにぎりを食べる』のがオススメされています^_^
■トレーニングが血糖値を下げる理由
筋肉は体重の40%を占めていますが、
糖質の80%以上は筋肉(骨格筋)に取り込まれて使われます。
ですので、
血糖値というのは筋肉の影響をもろに受けるのですが、
肥満や運動不足だと
筋肉へ糖を取り込もうとする力も弱くなってしまいます。
(グルコース輸送体:GLUT4が影響する)
筋トレしていないと
筋肉に糖を取り込む力が弱くなり、
結果、血液中の血糖が高くなります。
筋トレするようになれば
エネルギー代謝を促す酵素(AMPK)などの働きで、
糖が筋肉に取り込まれ血糖値が下がります。
■プロテインの取りすぎで早死する!?
「タンパク質を取るなんて面倒!」という方で
日常的にプロテインを飲んでいる方もいらっしゃいます。
血液は腎臓でろ過されて
『尿として老廃物をだす』のですが、
アミノ酸にはN(窒素)が含まれており
タンパク質を作るときにアンモニアが出てしまいます。
御存知の通り、アンモニアは毒です。
肝臓でアンモニアを尿素にして無毒化して、
腎臓でろ過するのでタンパク質のとりすぎは
デトックスで重要な肝臓や腎臓に負担をかけるのです。
なので、
タンパク質は肝臓や腎臓に悪いと言われているのですが、
長期的にプロテインを飲んで病気になったという研究は
されていないので実際のところ分かりません笑
というか、こういった長期間必要な研究は難しいので
(どのくらいの期間、1日どのくらいプロテイン飲んだかなど長期間調査する)、
理論的に「プロテインの取り過ぎはよくない」と
安全策を取ったほうが良いです。
たまにプロテインを長年飲んでても長生きしてるよ!
という方がいますが、1症例であって
たまたま病気にならなかった特別なケースの
可能性もあるのです。
わざわざリスクを犯す必要はないので笑、
タンパク質は自然な食物から摂るのが私は良いと思ってます!
■じゃ、どんな食べ物をすればいいの??
アルギニンのところでもお話しましたが、
タンパク質=肉!!と思っている方は多いです。
鶏肉、牛肉、豚肉などいろいろありますが、
魚介類や貝類にもタンパク質は多く含まれるので
私は魚介類がおすすめです。
なぜなら魚介類にはDHCとかEPAといった
身体にとても良い脂質も同時に取れます。オメガ3と言われるやつです。
最近サバ缶が流行っているのはこういった理由からですね^_^
プロテインから摂取するよりも
やはり自然の食物からアミノ酸をしっかりと摂ることをお勧めしています。
■糖質制限で筋肉が落ちる!?
糖質制限ダイエットは
糖質を脂肪細胞に取り込み働きを
抑えるので注目されています!
しかし、
『筋肉が糖を80%消費する』ということからも
過剰な糖質制限はなるべくエネルギーを使わないように
『燃費重視にカラダが切り替えようとする』ので、
筋肉が減ってしまうリスクがあります。
程度の問題ですが、極端な糖質制限、
『食べ過ぎだけには気をつける』ことが重要です。
(腹7分目くらいで食べ終えるようにしています)
長くなりましたのでまとめますと・・・
筋肉を適切につけていくためには
①運動だけではなくタンパク質(アミノ酸)をしっかりと摂りましょう
②プロテインよりも豚肉、牛肉、鶏肉など自然のものから摂る。
魚介類が良質な脂質(オメガ3)も摂れるためおススメ
③運動の30分以内に糖質(おにぎりなど)と一緒に
タンパク質をとると筋肉がつくられやすい
④50代以降になると筋肉量が大きく減るので
意識して運動+タンパク質を摂る
⑤タンパク質だけではなく筋疲労を取る
ビタミン、ミネラル(果物、野菜)もしっかり摂ろう
ということになります!!!!
いつも『運動に特化』した内容でしたがたまには
食事、睡眠、呼吸、心のもち方など健康の中でも重要なことを
もっとお伝えしていきたいと思います。
健康の情報って本当にたくさんあり過ぎるので
● 摂るべきもの
● 摂っちゃいけないもの
を見極めて自立して健康でい続けられるように
頑張っていきましょう~!!!!